小説版『BanG_Dream!(バンドリ)』を読んでくれ

皆さんバンドリご存知ですか?

バンドのアニメやらなんやらでバンドやって、担当声優が実際にバンドやってるっていう、メディアミックスプロジェクトなんですけど

まあわざわざこんなところにこんな記事読みにくる人は皆さんご存知でしょう。

 

これのね、小説があるんですよ。

これがね、めっちゃいい話なんですよ。

本当みんなめっちゃ読んでくれ小説版バンドリ。

 

冒頭でバンドリプロジェクトの説明して、現にこの前までアニメやってたんですが

小説版を読むにあたって予備知識は一切不要です。

 

そもそもキャラが全然違うんで。

いや、本当に違うんですよ。番外編とかじゃなくて同姓同名で。

 

というのも元々バンドリプロジェクト自体が2015年にスタートしてるんですが

2016年にリブートみたいな形でキャラクターがデザインから性格から一新されたんですよね。

で、現在進行しているアニメやゲームはこの2016年版のをベースに作られてるわけです。

そんで小説版のほうは2016年に発行されたんですけど、企画の原案を担当してた作家の中村航さんが執筆してまして、2015年版をベースに書かれてます。

 

この当初の設定と現在の設定が全然違くて、きらきら星が短くなったってレベルじゃなくて全員「誰やお前」ってなるんですけど、小説『BanG_Dream!』は一冊で一応完結してるんで問題ないよね!

 

話としては女子高生のバンド物で、ぶっちゃけバンド結成するまでの物語なんですけどね。

主人公の戸山香澄は気弱な女の子で、昔は歌が大好きで、本当は今も音楽が大好きなんですけど、ある事件をきっかけに歌うことが出来なくなってしまったんですよね。

それに釣られるように引っ込み思案な性格になってしまい、高校入学したものの友達も出来ず、“サイテー”な日々を過ごしてます。

唯一の友達は定時制で同じ席に座っていて、机の上の落書きで文通のようなやり取りをしている子。顔も名前も知らない彼女が、落ち込んでいる香澄を励ましてくれる唯一の存在。

そんな日常の中で、偶然見つけた星のシールに導かれるようにして、質屋にディスプレイされたギター『ランダムスター』に出会い惹かれ、改めて音楽に目覚めていくって話なんですよ。

 

これが“イイ”んです。

小説という媒体でしっかりと音楽の物語になっているんです。

 

歌も歌えず音楽に触れあって来ようとしなかった香澄は当然音楽の素人なんですが、出会ったランダムスターとその持ち主の市ヶ谷有咲とともに少しずつ音楽に触れていくんですね。

始まりは有咲がかけたレコードに合わせ、ランダムスターを身に着けて明るく“変身”した香澄、とにかく弾き真似ではしゃぎ回り、有咲もそれにつられて箒で弾き真似で大はしゃぎ。

ここまで思いっきりとは言いませんけど、ギターの弾き真似でロックスター気取りなんて誰もがやったような音楽との触れ合いをキレイに描いていってくれる作品です。

 

その後も香澄に可能性を見出した有咲がネットで調べた知識からパワーコードを教えたり、アンプに繋いでの大音量でかき鳴らしたり、エフェクターで色んな音を出してはしゃいだり笑い転げたりと、徐々に音楽に触れていく楽しさや、新しい世界に出会って世界が広がっていく楽しさがいっぱい詰まってます。

 

そうしたバンド活動の中で、埋もれていた未完成の楽曲を完成させたり、自分たちのオリジナル楽曲の作成を通して出会っていく新たな仲間達。

そんな彼女たちとの出会いがタイトルでもある『BanG_Dream!』の名のもとに導かれていくわけです。

『BanG_Dream!』が一体どうやって彼女達を導いていくのかは、まあ作品を読んでくださいな。

 

作品を読むにあたって予備知識は一切不要と申しましたが、読んだ後には実際の楽曲も是非聴いて欲しいところです。

バンドリプロジェクトは、バンドをテーマにしたメディアミックスプロジェクトなんで、楽曲も実際に世に出てるのですが、こちらの作品を読み終わった後、どの曲も印象がガラリと変わるはずです。ていうか聴くだけでめっちゃ感動できるレベルまであり得ます。

 

この物語は何か大きな事件が起こったりとかはありません。

香澄のトラウマも、面倒になって投げ出してしまったような話で、誰でも起こるというよりはいっそ日常的にやっているようなことだと思います。

でもそれが自分にとって大切なものだったとき、大切なものだからこそ、自分の中で取り返しがつかなかったりするもので。

そんなとても身近で小さい“自分の中にある大切なもの”に対して、どう向き合いどう行動していくかを訴えてくれるような作品なんじゃないかなあと思います。

 

探していた“夢”の続きに出会った瞬間、机の上の物語が再び灯した情熱、音楽という絆との向き合い方、かつての“夢”が今にどうつながっていったのか等々、素敵なところはたくさんあるけど、ここは是非読んでほしい!

 

普段クソカスゴミみたいなコンテンツへの触れ合い方をしている僕にとって「砂漠で水飲んだら美味しかった」みたいな感想しか出てこないような清らかな青春作品です。

そんなとっても素敵な小説『BanG_Dream!』をみんな読んでくれよな!

 

ウマサからは以上です。

 

電子版も出てるぞい!